2014年6月3日火曜日

フィンランドの高校卒業 

   5月末日は小学校、中学校、高校すべての学校の修了式、卒業式です。高校生の卒業式では皆一応に真新しい学生帽(白い生地に黒のつばと、それに金のメタルの着いた伝統的なもの)を与えられます。それで、この週末はその真新しい学生帽をかぶった若者が街中にあふれているようです。
卒業生の家族は自宅や会場をレンタルして、親戚や友人を招待して、お祝いのパーティーをします。私も友人の息子のパーティーに呼ばれ、楽しいひとときを過ごしました。
  お母さん、おばあさんがたくさんの料理とケーキを準備してくれました。息子トニーは卒業の学生帽とスーツ姿、主に赤のローズを手に持ち、皆から祝福されて、挨拶して回ります。卒業のお祝いをもらったり、将来の希望を尋ねられたり。同級生でもあるガールフレンドも両親、妹と一緒にやってきました。やはり真新しい学生帽の下に黒のサマードレスと、金のネックレスとイヤリング.フィンランドでは黒のドレスが公式です。残念ながら、自分たちのパーティーもあるのでしょうか、長いせずに帰ってしまいましたが。両親同士がお互いに祝福し合い、カップルもそれぞれの互いの相手の両親に挨拶していました。これはアメリカでも感じていたことでしたが、17,8才の若者が堂々と大人たちと向き合ってきちんと挨拶できるのには感心します。臆すること無く、さあこれから、大学だねなどといわれて、ガールフレンドは、法律を勉強しますと、意気揚々です。トニーはまず、軍隊にいかなければならないので(フィンランドでは男子国民の義務です.6−9ヶ月間ですが)、その間に入学願書をだした大学からのオファーがあればいいけどと言いながらも、すでに将来は社会福祉を専攻したいという心は決めているとのことでした。


  
  フィンランドの教育水準の高さには定評があり、学生の成績は世界のトップであるのは、よく知られていると思います.PISA( Programme for International Student Assessment) で国際的に高い順位をしめていますし。フィンランドでは6才のプレスクールから始まり、義務教育は9年間ですが、 その後は高校または職業訓練を兼ねた専門学校でさらに3年間勉強し、大学に進学します。2007年のデーターでは入学願書を出した51%が高校に登録されたそうです。3年の高校生活の後、大学に進学するためには全国統一大学入学試験を受け、その結果とそれまでの学業成績、そして高校卒業試験(the abiturといわれています)の結果をもって、大学に入学申請をするようです。一方、専門学校からの大学への進学の道も残されているそうです.

 学校の先生は少なくともマスター(修士号)を持っていなければなりません。学級の生徒数は20人以下、小学校の1年生からフィンランド語とスウェーデン語を学び、4年生からはさらにもう一つの外国語、以前はドイツ語、フランス語が多かったそうですが、最近では英語、またはギリシャ語、ラテン語の選択もあるそうです。高校では数学、科学、国語が基準ですが、社会学、歴史、技工、体育、美術と広範囲に知識を蓄積、またそれぞれの分野のプロジェクトを個人またはグループで検討するというのが中心だそうです。むろん、携帯電話は無くては成らない必需品ではありますが、それでもまだまだ読書がさかんで、優秀な生徒は多読であるということです。ちなみに、全国統一大学入学試験の一つはエッセーを書くことで、読んで書くということが、だいじな教育の基本に成っているのです。   

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