2014年6月14日土曜日

フィンランドの高齢者 ブラックソーセージ


   ムスタ(ブラック)マッカラ(ソーセージ)は、フィンランド人の大好きな豚肉に豚の血、つぶしたライ麦と米をミックスしてつくられるブラッドソーセージ。フィンランドではタンペレがその発祥の地といわれ、市民がこよなく愛する食べ物の一つ。血の風味が独特の癖っぽい味、まったりとした食感を与えます。ブラッドソーセージは家畜を無駄なく利用することを目的にヨーロッパの牧畜の盛んな国で古くからつくられてきました。イギリスではブラックプディングBlack Pudding、ドイツではブルートヴルストBlutwurstとも呼ばれます。
  タンペレでは、それにリンゴンベリージャムをつけて食べ、ミルクを飲むのが、ランチやスナックになったりしているようです。市場などにいくと、できたての、焼きたてのブラックソーセージの長く太いのにかぶりつく市民、老いも若きも、女の子もおばあさんをもよく見かけます。でも、ソーセージはほんとに真っ黒な色合いで、それに真っ赤なリンゴンベリージャムですから、口元や手が真っ赤に染まり、見ているとウウッとしてしまうことも。食の伝統は理解や共感を超越していると思わずにはいられません。
  ユーコラの高齢者レジデンスも初夏が始まってから、日中のお出かけアクティヴィティーが増えました。車椅子を乗せられる専用タクシーで移動しますので、付き添いのケアスタッフも大変ですが、それでも、戸内に閉じこもりがちのレジデンスを少しでも外に連れ出したいのです。
  春から秋まで、毎日朝8時から午後2時まで開いている青空市場。イチゴやグリーンピース(フィンランド人は豆をさやからだして、生で食べます。スナック感覚です)など地元の農家から旬の果物や野菜、それに手編みの靴下、帽子、手作りのスカーフ、サマードレス、モップ、どこから集めてきたのかと思うような一見ガラクタにもみえる中古品の数々も売られています。車椅子や、ウォーカーでスタッフとともに売り場通路をゆっくり見回ります。途中つみたてのイチゴを買ったり。そうして、ブラックソーセージの屋台にくると、やっぱり、たちどまらないわけにはいかないようです。自分で持つことが出来ないレジデンスもスタッフに助けられ、歯のない口をあんぐり、がぶっと。もう、口の回り、真っ赤。


                 

  それだけでは、ないのです。やっぱりデザートが必要。向かいのアイスクリーム屋です。そんな大きいのをと思うけど。うれしそうなのは、もう顔一杯。ブラックソーセージとアイスクリーム、フィンランド、タンペレの高齢者の必需食品?!



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