2014年6月13日金曜日

フィンランド 高齢者ケア  90才の誕生日を自宅で



  友人らとともに、Penaペナさんの90才の誕生日をお祝いしました.昨年63年連れ添った奥さんを亡くしたバチェラーだから、と女の友人が集まりました。




  
  彼のアパートメントは7階建て、彼はその4階を60年前に購入したそうです.そこで、一人息子が生まれ、育ち、ヘルシンキでパイロットとして就職しましたが、15年前に亡くなっています.自分はエンジニア、連れ添った奥さんは看護師をしていましたが、共に定年した後、2000年頃から奥さんに認知症が発症。それでも、自宅で奥さんと向き合って暮らしていましたが、2年前には奥さんの症状が進行、自宅での生活が出来なくなり、コウクニエミ高齢者ホームに入所しました.それからは奥さんを見舞うのが彼の毎日の仕事になり、それこそ雨の日も、風の日も、雪の日も亡くなるその日まで通い続けたそうです。
その奥さんが亡くなってからは、ディサービスでクリーニングに週1度サービスの人が20分来るそうですが、それ以外はすべて自分一人でクッキングを含めて、生活しています.2年前から加齢黄斑性で視力が低下、失明していないけれど字を読むのが困難になってきたなあと笑っています。
  長生きの秘訣はと問いかけると、このアパートメントを買ったときは当時のモダンなものだったが、エレベーターはついていなかった。だから、今も毎日、4階の階段の上り下りを繰り返し続けている、これが健康の元だよと。若い頃は旅行が好きで、いろいろな国に奥さんといったそうで、その思い出の絵画や記念品がリビングルームを埋め尽くしています.自分で増設したというベランダからは、アパートメントの広い庭が見渡せ、そのベランダのコーヒーテーブルで音楽を聞きながら、本を読むのが好きだったんだがなーと。
  フィンランドでは、今も高齢者の多くは住み慣れた自宅で生活しており、統計的数字では90%にもなっています。ほとんどが夫婦またはパートナー、もしくはペナさんのように一人暮らしです。
 建築年数の古いアパートメントではほとんどエレベーターがありません。1部屋または2部屋にリビングルーム、キッチンとシャワーとトイレが基本です。
集まった古い友人たちとサマーカッテージでの夏の計画を練っている彼ですが、聞けばそのカッテージは友人と一緒に自分たちで建てたものだそうです。ほんとに、フィンランドの男たちは器用に家の増改築に励みます。

0 件のコメント:

コメントを投稿