2014年9月25日木曜日

カリヤランピーラッカ

 フィンランドのホームメイドレシピーの一つがこれでしょう。ライ麦粉のクレープよりやや厚めの生地でライスプディングを包み、オーブンで焼きます。焼き上がりにバターと細かく刻んだゆで卵(ムナボイと言います)をのせたり。ライスプディングの代わりに、マッシュポテト、マッシュした人参やチーズにしたり、それぞれの家庭の味もあるようです。元々はロシア国境に近いカレリア地方から広まりましたが、国中のスーパーのパンコーナー、コーヒーショップのスナックコーナーに欠かせない国民の味です。ライスプディングといってもフィンランドのは牛乳粥のようなもの。朝食にそれだけでも、バターを落としたりして食べられています。

  今日、ホームメイド版を手ほどきしてくれたKは、昔、おばあさんからレシピを習い、毎年クリスマスの頃になると100以上つくり、休み中かけてご主人と楽しんで食べるそうです。
彼女は丸く薄く生地をのばすのにパスタメーカーを使っていましたが、おばあさんは両手に綿棒を持ち、一度に2枚つくっていたといいます。家族の3度の食事に、スナックに、パンの代わりに食べたりもするそうです。たしかに、ゆで卵やキュウリの輪切りにハムをのせて、オープンサンドイッチにもなりますものね。

そのレシピですが、ライ麦粉に水とサラダ油を混ぜ、こねて薄くのばすだけ。10センチ直径に丸くするのが見た目以上に難しい。“私は10年以上もずっとつくり続けているんだから、年月が必要よ”と、カティアが笑っています。ところで、ユーコラの高齢者、お手伝いにきました。長年つくってきたのでしょうね、確かに。プディングの加え方、のばしかた、ピンチしてくるむ仕方もそれぞれ少しずつ違います。フィンランドのこの年代の婦人は、家庭を持ったら、カリヤランピーラッカを焼いたり、帽子や靴下、手袋を編んだり、手作りで家族を支えてきたのでしょうね。


 





 さあ、焼き上がりのカリヤランピーラッカをいただきましょう。ほんとに素朴な温かな味です。

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