2014年9月18日木曜日

96才の誕生日に

     リーッタのお母さんが96才になるという。自分の属する教会(エバンジェリアン、フィンランドの主流)の神父に誕生日とともに安息を願い、力づけてもらうから来なさいという。お母さんは昨年から、コウクニエミの老人ホームに入っている。10年以上前に認知症と認定され、最近は完全に失明して、ヘッドホーンを頭につけ、常に音楽やラジオ番組だけを聞いている毎日。夏前に会った時にはほとんど歩けず、ベッドに寝たきりだったが、3度の食事以外にも100gのチョコレートと3-4杯のコーヒーを毎日飲んでおり、調子の良い時には耳元で声をかけると、声を出して笑ったり、言い返したりしていた。
それが、夏を過ぎて会ってみると、もうすっかり寝たきりになっていて、ほとんど寝ているばかり。9月を過ぎ、今週に入ってからは、ミルク以外流動食さえも飲込むことができなくなっていた。そのミルクも自分でカップを持つこともできず、飲ませてもらっても、飲み込むのに葛藤しなければならない状態。何しろ、呼吸が1分以上止まり、こわごわ見ていると、ブフーッと息を吹き返すのだ。
   
   さて、誕生日のお祝い。好きだったという赤いバラの花をあげる。神父がお祈りし、聖書から励ましの章を朗読、パンの小片と赤ワインを形ばかり与え、精霊の力を授ける。ナースや介護スタッフもやってきて、顔をなぜ、ハッピーバースディー!(フーバ、スンツマパイバー!がフィンランド語)といってあげると、それがちゃんとわかっているのだ!かすかにうなずく。


     
リーッタは看護師をしている彼女のいとこが、ミルクだけ飲んで2年間生き延びた患者を看取ったことがあるといっているので、自分の母もまだだいじょうぶというが。また、毎日覗かなければならないな。



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