2014年10月11日土曜日

フィンランド、タンペレ市の高齢者対策

   日本の内閣府が公表した平成24年(2012)の高齢者の健康に関する意識調査歯、全国の55才以上の男女に対する個別面接聴取の結果の集計である。3000人に対して1919人、64%の有効回答が得られた。回答者数は女性がやや多く54.9%、55-5960-6465-6970-7475-7980以上に分けると、60-6420%、656918.8%、70-7418.4%と主要であるが、55-5915%、75-7913.3%、80以上14.6%と一応平均している。自分の健康状態はやはり年齢とともに良くなくなっていると自覚している。日常生活にも、どの年代でも9割近くがほぼ満足している。そして約6割の人が65才を超えても働きたいと考えており、「働けるうちはいつまでも」という希望は年齢階級とともに上昇傾向している。80才以上では半数に近い42.1%がそう答えている。支えられるべき高齢者の年齢は、少なくとも75才以上と28.7%の人が考えていて、26.7%は80才以上だとしている。
医療に関しては、最期は自宅で迎えたいと半数以上(54.6%、男性62.4%、女性48.2%)が希望している.その次には病院などの医療施設(27.7%)、特別養護老人ホーム、高齢者向けのケア付き住宅もそれぞれ4.5%、4.1%となっている。
  
  107日のタンペレ市の新聞Aamulehitiでも、高齢者対策が取り上げられており、市民に老後はどこでという質問をした記事が掲載されていた。多くの人が出来るだけ長く、今の家で暮らしていきたいと答えている。子供には年老いた親の面倒を見る必要は法的にはないという法律があるフィンランドである。
  

 人口22万人のフィンランド第2の都市タンペレでも高齢化が社会的にいろいろな問題を提起している。本日はタンペレ市の高齢者対策部署を訪問し、2時間余のインタビューで市の高齢者対策を伺うことが出来た。これは、正しく翻訳後改めて稿を起こす予定であるが、北欧福祉国家の一員としてのフィンランドの真摯な姿勢を感じることができた。



20%近くの高齢者、タンペレ市では75才以上をさらに高齢者介護の必要度大対象として検討している。9割近くが自宅で生活しているのは、フィンランド国全体であるが、ホームケアサービス、デイセンターを活用しても、やはり身体機能、認知機能の低下に伴い、自宅暮らしが難しくなるのは事実で、それを市としては、以前の病院や養老院型のケアから、24時間介護付きシェルターハウスケア(これを高齢者の終の住処と規定することを含めて)で自宅介護に移行しようという強い姿勢である。市の条例も2015年1月に変更、規定するという。そのための、シェルターハウスは現在約1000存在している。規模はまちまちであるが、1つのグループ(であるから、基本的に日本のグループホームとよく似たシステムである)で、最大15人の高齢者を介護していくという。私の関与しているユーコラ、インピバラでは各フロアーで15人づつ、それが4階建ての建物であるが、一部は民間の介護サービスが入っている。この民間であるが、フィンランドでは、原則的に地方自治体、タンペレ市が介護サービスを買い取っている形式である。終の住処のとおり、私が通いだしてからでもこの6,7ヶ月で5人の方が、ここで寿命を全うされた。通訳として私を補助してくれているリーッタも96才の寝たきりの母親をヴァンハンコテ(フィンランドでの養老院型)に入所させているが、いろいろ問題も多いという。確かに北欧福祉政策、介護サービスの設定はアメリカに比較して遥かに優れていて、学ぶべき点も多い毎日ではあるが、やはり問題はあるようで、それをいかにフィンランドでは、タンペレ市では改善しようとしているのか、それを調べていくのが私の仕事であると、実感をさらに強めた日でもあった。

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