2014年7月16日水曜日

転倒

   つい最近ユーコラで不幸な転倒があり、レジデンスが首を骨折して次の日に亡くなるという事故があった。転倒の仕方や、周辺の環境も大きく作用するが、体の動作機能が衰えている高齢者にとっては防止しなければならないまず一番のことである。高齢者にとって転倒は怪我ばかりでなく、死にも繋がる危険性があるからだ。 フィンランドの統計では転倒して亡くなった人の3/4は70歳以上の高齢者である。80歳を越すと実際に亡くなった人の数字がグンと上昇する。男女比では70歳くらいまでは男性高齢者が女性高齢者を上回っているが、80歳以上では圧倒的に女性の数が増す。存命数の差が反映しているのだろうが。
   今日、ユーコラにいくと、Eの顔が真っ青で鼻血がかたまっている。朝早くに起きがけに転倒したのだということで、でも幸いというか正面からの転倒で頭を打つというより、高い鼻をしこたま打ったそうだ。目の下からあごにかけて内出血で真っ青。見ているのもつらい状態だ。彼女は認知症も重度に進行しているので、はっきりと自分の意志を伝えるような会話は困難になってきている。常に徘徊状態が強く、一カ所にじっとしていられない。それでも、この転倒の怪我のせいか、私がダイニングに入っていった時には、わりと静かにテーブルにすわっていた。同じテーブルに介護のスタッフと2人のレジデンスも座っており、話をするというのではないけど、見守るという状態だった。その2人のレジデンスも認知症の初期ではあるけれど、同じ階のレジデンスに起ったことを察知しているのだろう。心配気な顔つきでテーブルを囲んでいる。テーブルの隣の席のレジデンスは、Eの手を握ってやっていた。
   一人暮らしの在宅高齢者にとってこのような転倒が起った場合、自分ですぐに助けを呼ぶことができるならまだしも、そうすることができずに、たおれたままで数時間を、いや1日以上も、という話を聞くことが多い。コウクニエミの別のケアホームに現在は入居している、91歳のレジデンスは、自宅で一人暮らしだった時、娘が尋ねてきて気づくまで半日以上、転倒して床に転がったままだったという。アメリカでは緊急ペンダントプログラムで、転倒やシャワーなどの事故など、もしもの事態があったとき、首にかけているペンダントのボタンを押すとモニターされるしくみが採用されている自治体が多くなってきていたが。ディサービスで在宅ケアをするという時、一人ぐらいの高齢者では見守りができにくいのは、問題であろう。近所やコミュニュティーでというけれど、実際のところは、どうなのだろうか?頻繁にチェックすることが可能なのだろうか?

   その点、ユーコラのような介護付きグループホームは、安心である。個人の自由度が減少するけれど、スタッフを始め、レジデンス同士の見守りも可能になるのだから。

  
       フィンランドのパンケーキ オーブンで焼き、もちろんイチゴやブルーベリーのジャムに、時にはフィップクリームも添えてたべる。卵の分量が多いので、しっとりとしていて、みんなが大好き。

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