2014年8月8日金曜日

フィンランドに村上春樹上陸

   フィンランド人の友人からメールで、ニュースが転送されてきました。フィンランド語の勉強にと目を通すことにしてるんですが、なかなか追いつかないのが現状です。

  それによると、村上春樹の最新作 “色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年”が、フィンランドで彼の小説としては初めてフィンランド語に翻訳され出版されるそうです、今月。
  作品の中、ヘルシンキの近くHämeenlinnaan ハメーンリンナが舞台なので、興味をもたれたことにもよるのでしょうし、また、ますます彼の作品が日本以外の国で評価されてきていることのあらわれでもあるのでしょう。

  アメリカでも2年前の“海辺のカフカ”の人気は驚くばかりで、その年のニューヨークタイムスの書評では、彼は近々ノーベル賞まちがいなしと言い切っていましたし、どこのブックストアにも山積みにされていました。
さらに、昨年クリスマスにイタリアに出かけたときにのぞいたミラノのメインストリートの本屋でも、日本の作家として、彼、村上春樹とそして吉本ばななを見つけ感動というか、感慨を抱いたのでした。翻訳された彼らの多くの本が一つのコーナーをつくっていたのですから。





ジェノバでもイタリア人の若い友人達のパーティーに招かれたとき、日本人の私に、ばななはとっても興味深い話を書くねと、話しかけられて、ビックリしたのも思い出します。なんで知ってるの、吉本ばなな?!海辺のカフカも話題になり、最後の結末のあいまいさは何を意味するのかなどと尋ねられ、彼の小説の多くはよくわからない人間の心の迷いを扱っているから、などとごまかしながら、心の中でこの30代の若者達はちゃんと読んでいるのだーと感激もしました。それも、一人二人ではなくて数人以上でしたので、それにもますます感激でした。



私の世代、日本が経済的に世界に挑んでいった、60年代後半から70年代、私の子供の頃は、多くの子供達がそうであったように、日本では欧米を中心とした翻訳された西欧のフィクション、ノンフィクションを読んで育ってきたのです。それが、一つには私達の世代が欧米の生活にあこがれた引き金でもあったのでしょう。
ところが、現在では、このように日本からの文化が欧米の人々の好奇心をひいているのです。昔、アメリカに初めて渡った時には、地元の本屋や図書館には三島由紀夫や川端康成しか見られなかったのに。なんか、嬉しくなってしまいます。

   まだまだ読書が盛んなフィンランドで村上春樹がどのくらいポピュラーになるのでしょうか?早速近々、本屋をのぞいてご報告します。



 

0 件のコメント:

コメントを投稿