2014年8月3日日曜日

暑さの続くフィンランドより

   
      暑いという言葉を使えば、余計暑いのかもしれません。でも、申し訳ないけど、今のフィンランド、もう暑すぎです。カリフォルニアの、あの暑いけど、でも湿度が低いために、木陰に入れば涼しくもありというのとは異なり、もう猛暑(30度に近いというだけですが、それでも例年の平均気温を超えてますし)、それに湿度が高いので、ちょうどニューヨークの夏を思い出します。でも、アメリカではどこでもビルディングに入るともう寒いくらいに冷房がきいていたのでしたが、夏の短いフィンランドではヒーターは完備でもエアコンはそれほどです。

    今日は、ユーコラで職員が騒いでいました。昨日の新聞に暑い日が続き、冷房設備の整っていないこのユーコラ、インピバラ高齢者ホームでは高齢者はもう死にそうだという、大げさな記事が出てしまったためです。新聞の一面を心配したレジデンスの息子が、水ボトルを買いこんできて飲ませている写真がでかでかと飾っています。さらに、記事は次のページで、スタッフがレジデンスに水を飲ませてる写真、そして彼女のコメント。自分達もこの劣悪な労働環境で暑くて吐いてしまうこともあるなどといっているのです。 限られた予算の中では、炭酸入り水も買えないので、どうやって高齢者レジデンスにたくさん水を飲ませるか頭がいたいと続けています。レジデンスのほとんどが程度の違いはあっても認知症を伴っていますので、水を飲むことさえ忘れてしまうので、一人一人をチェックして見守らなければならず、自分でさえ暑くてたまらないのに、ますます忙しいと。
確かに、今週の所内ニュースでも、水を少なくとも1-1.5リットルは飲んでくださいというパンフレットが回ってきていましたっけ.
  冬の長いフィンランドでは窓は2重窓ですし、そのためもあり、また蚊も多いので、窓は全開にするようにはできていません。冷房のないビルディングではこのところ室内でも26,7度になるようです。
ユーコラでは食事のときにいつもミルクかりんごジュースをつけますが、この暑さでさらにグラス1杯の水も添えています。
  
       それで、冷房が完備されていないと報道されてしまって、所内はちょっと大騒ぎ。ほんとのところは冷房は完備されているのですが、うまく作動していないというのが事実のようです。しかし、新聞記者のインタビューを勝手に受けてしまったスタッフ、そして批判的な話を自分はといわず(個人のコメントとして)、自分たちも体調が悪くなっており、レジデンスばかりでなく自分達のことも心配しているなどと(スタッフ全体の一致した見解のごとく)いってしまったのですから、これはちょっと後ひくのではないでしょうか。新聞記者が所長または施設の許可無しに取材できるというのにも驚きましたが、また、スタッフが上司にも相談することなく、取材を受けるというのも、あり得ないことだと思いますが、アメリカでは。フィンランドの職場を観察していると、回りや上下関係に気兼ねなく、誰もがいいたいことをいうのが主流のようです。年齢や経験という思惑もあまり考慮せず、つねに、自分の意見、感想を臆するところなくデスカッションをしています。
同じ西欧国家といえど、それがアメリカですと、表面的には平等のようですが、ボスの一声という最後の決断があったりするのです。日本のように上下をおもんばかって敬語などの複雑な会話表現体系こそないのですが、職場ではやはり上下関係が存在しています。でも、今のところフィンランドではそういう場面をまだ見ておらず、
個人の平等感はアメリカにくらべて、フィンランドの方が強いように感じられます。

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