2013年8月30日金曜日

“舟を編む” そして出発

   
あわただしく、心落ち着かなく過ごした数日の後、真夜中にロスアンジェルス空港に送ってもらいました。いよいよ始まりの終わりです.朝とともにフィンランドに飛んでいくのです.機体の到着が遅れ、出発も遅れはしましたが,満員の飛行機は朝焼けの後の晴れた太平洋を下に飛び立ちました.東海岸までの接続便でいつものように満員ですが、なんとたった1席、私の隣だけが空席でした.さらの隣の乗客とラッキーと喜んで、なんかちょっと良い幸先かなと。
おまけにニューアークまでの機内で、思いがけず邦画“舟を編む”を観ることができ、もっとラッキー! 夏に日本で観られずに残念だったのに.ロスアンジェルスでも最後の思いでの一つとして、センチュリーシティーで“ジョブズ”も観たのでしたが、どちらも人の熱い思いをジューッと焼き付けてくれました。辞書作りに費やす静かだが、燃えたぎる情熱と独創性を追求する、攻撃的でもあるひたむきな情熱。それは年齢に関係なく、人の人生を支えるのです。そういう情熱の対象に巡り会い、人生を終えられるようにしたいと胸が震えました.どこででも良いし,どんなことでも良いし。ジェロントロジーを研究したいと、こうして進んできて、今フィンランドに向かっているのは、そういうことだと、改めて心を引き締めます。

2013年8月21日水曜日

シニアもハイテクをエンジョイ!


         
            フィンランド出発まで1週間となりました。今日はボランティアをしているアダルトセンターでの最後の日.職員の方々を始め,シニアの方々がグッドラック!ファイト!を言ってくださいます.寂しい限りですが、家に帰ればすでにフィンランドの大学から到着した次の日に開催されるセミナーへのお誘いが。“シニアとニューテクノロジー”というテーマです。フィンランドはノキアの国、インターネット環境は速いし、どこでもつながるとアパートメントの家主からもメールがきています。

 
       アメリカでもシニアの生活にハイテク、コンピューターは密接になってきています.ハリエットはミュージカルにいくにしたって、孫を動物園に連れて行くにしたって、必ず格安チケットをインターネットでさがすわよと、笑います。あたりまえでしょう、いかに有効にお金を使い,人生をエンジョイするかが残りの人生のチャレンジと。息子や孫がすぐ近くに住んでいるわけではないけど、家族とのコミュニケートは一番の中心。ただ一人の孫娘は遠くオハイオの大学にいってしまったので、毎日スカイプしてるそうです。
   アダルトセンターやAssisted independent facilityのような居住型施設でのアクティビティーでもコンピュータークラスは大人気です.家族、友人とのコミュニケーションに使いたい、インターネットショッピングをしたいというのが主な動機。最近ではタブレットを持っているシニアが多くなりました。手頃な値段と使い易さ、軽さがいいようです.孫のピアノの発表会の写真とビデオを娘が送ってきたと見せにくるシニアの方もおられます。そういう点でタブレットの普及は画期的でしょう。ラップトップといっても、やはりコンピューターの画面の前にちょっと気後れを感じるシニアがまだまだおられますが、タブレットでは膝の上で指でヒューッと操作できるのがいいわと笑顔をみせます。日本では携帯電話,スマートフォンが主流とききますが、アメリカではシニア間では、スクリーンがより大きいタブレットが先行しているように思われます.

2013年8月16日金曜日

老人虐待

Elder Abuse
 なかなか難しい話題だと思いますが,避けてはいけないことでもあると思います.ボランティアをしているNPOが主催して、この話題について私の大学USC David School of Gerontology南カリフォルニア大学老人学部の教授のセミナーがありました。
これはシニアの生活支援にハイテク技術を活用するというプログラムでもあり,3つの老人センターや居住型老人施設にインターネットを通じて大学から講演するという形がとられました.
 
それぞれのセンターで大きなスクリーンで聴講し、質問があればインターネットで行います.
シニアの生活で交通というのは大きな問題です.特にカリフォルニア、ロスアンジェルスのような広域に渡る地域を抱えていますと.交通渋滞がひどいし、それに人々の運転マナーもシニアにはタフです.このような形でハイテクがシニアの生活を支援していくのは必然の方向でしょう.私も2週間後にはフィンランドでシニア生活支援のハイテクの可能性というセミナーに参加することになっており、ハイテク先進国フィンランドの状況を知るのが楽しみです.

  さて、老人虐待にもいろいろあります。身体的、精神的、そして今回のセミナーでは金銭的虐待がアメリカでは大きな問題とのことでした。経済的に余裕がなく、高等教育を受けていない、どちらかといえば今日がよければと暮らしている一人暮らしの老婦人は電話詐欺とかの被害を受け易い、また一方、高等教育もあり経済的余裕のある、冒険心の強い家族持ちの老男性が投資詐欺にあい易いという、AARP(アメリカ老人協会)の統計があるそうです。どうのように対処していくか、どのようにサポートしていくか、これからますます求められる問題であり、私自身も検討,研究していきたいと思っています.でも、問題の一つはこうしたケースが報告されるのは1/5,いや1/20にも満たないということなのです。恥ずかしいとか、よくわからないとか、または仕返しが怖いという理由でも口を噤んでしまうようなのです.
日本でもオレオレ詐欺、振込詐欺のことが話題になっていますね。やはり、シニアがターゲットになることが多いようですが.

2013年8月15日木曜日

親の面倒


友人の夫は61才、今は約5年ばかりの母親の介護が終わって、少し休憩中。最後の1年はテキサス州で母親と同居して、働きながら母を看取りました.職業を持つ妻はカリフォルニアに残り、仕事を続けていました。
アメリカでの親の介護には、文化の多様性が見られます.友人たちはベトナム人ですので、親の看取り,介護は出来るだけ自分たちでという考えが強いようです.一方、私はロスアンジェルス市のDept. of Agingでボランティアをしていますが、私の担当するエリアは90%が、ミドルクラスのいわゆる白人。毎日のようにアダルトセンターに通い、クラスに参加したり,ビンゴを楽しんだり.健康クラスで勉強したりしています.Assisted independent facilityのような居住型施設も増えていますが,それでもアメリカのシニアは長年住み慣れた我が家で最後まで過ごしたがっているようです.でも、子供たちと一緒に住んで老後の面倒を見てもらうという観念はほとんどありませんので,結局パートナーに往かれて一人暮らしのシニアも多くなります.子供たちも決して放っておくというのではないようで、経済的に面倒を見ている、だけども一緒には暮らしていないというのが,ミドルクラスには多いように見られます.市では毎週この人たちに電話をかけるというサービスも行っています.私も参加していますが,時には電話口でシニアの方の話が止まりません.さらにトランスポーティションセクションで、もう運転の出来ないシニアにするタクシーサービスのスケジュールをも手伝っています.多くの場合、病院やリハビリに通うのに利用されていますが.
もし、認知症や身体的な介護の必要になった時には、人を雇います.介護人の多くはフィリピン人,メキシコ人です.ユダヤ人の友人の場合、母親は施設に入るのを拒んでいるため,認知症も進んでいるので,朝と夜と違う人を,24時間 雇っているようです.
日本でも一人暮らし、老夫婦だけの所帯数が増加しているようですが,フィンランドではどのようになっているのでしょうか?
           
ボランティアしているコミュニティーでのダンスパーティー

2013年8月13日火曜日

ペルセウス座流星群


ペルセウス座流星群
今頃は毎年この流星群が出現し、8月13日前後に極大を迎えるということですが,一昨日の夜9時にもなろうとする頃、山小屋をもつ友人夫婦から今夜あたりがピークだから、これを見逃す手はないとお誘いの電話。そうだわ、流れ星にお願いしなくちゃとでかけてみました。
彼らの山小屋はTehachapi テハチャピ山脈、 Mojave desertモハーヴェ砂漠(デスヴァレーのある)の中にある桃源郷のような緑の一帯です。周りの山々の降雪が地下に貯まっているのか、その一帯だけ100年200年の松林になっているのです。裏山からエルクが、リスが、マウンティングキャットが毎日訪れます.キツツキ、カリフォルニアクゥエール(うずら),ブルーバード(まさに青い鳥)、ステラジェイ(青いカケス)が群れで飛び回っています.先に訪れた時にはバサバサッとコンドルさえ押し寄せたほど山の丘にあります。
そこのテラスに毛布をかぶって空を見上げると一面のダイヤモンド。ミルキィーウエィ天の川があんなに幅広く、密集して見えたのは久しぶりです。
11時30分を過ぎて到着.それから1時間ばかり北西を見上げるようにといわれましたが、天空一面飛び交います。20以上も見えたでしょうか。願い事、願い事と思いつつも、シューット現れるとあまりの感動にそれどころではありません.
フィンランドもきっと夜空の星観察には良いところなのでしょうね.楽しみです.
  自分の写真でなくて残念.

2013年8月7日水曜日

始まりです


何故フィンランドなのだろう?
20年以上アメリカに住んで,パスポートを得て、この国アメリカの人になったのではなかったのか?という、思いはあります。今また新しい未知の国、 フィンランドに行くことになった自分の運命に自分でも驚いてもいますし、こうしてまじかに迫った今は何をしていても、ふと自分に問いかけてもいます.
長年育んできた今の生活を、また、さらにして、新しく始めなければなりません.
むろん今まで築いてきた家族、友人などの人間関係が無くなるわけではありません。ちょうど初めてここアメリカに移り住んだ時のように、心は故郷に置いた旅行気分ではあります。
それでも、やはり、一区切り。
新しい生活が始まります.
フィンランドでしたいこと
1.ジェロントロジーについての教育プログラムをつくる  対象は一般と介護人
2.ネイチャー、鳥を中心に探索したい
3.新しい文化圏フィンランド を散策したい